介護離職を地域で防ぐ、山梨の4社が企業支援とケアマネ相談を接続

従業員調査、制度整備、管理職研修を企業ごとに組み立て、山梨県のケアラーコンシェルジュへつなぐ。銀行、福祉、事業開発、専門支援会社が役割を分担し、仕事と介護の両立を継続支援する。

発表企業:株式会社山梨中央銀行

対象

仕事と介護の両立制度を整備したい山梨県内の企業・団体と、その従業員・管理職

種別

新サービス

注目する理由

研修の単発販売ではなく、職場側の制度と地域の専門相談を接続する点に注目した。導入社数だけでなく、相談利用、離職、制度利用の変化を追う必要がある。

企業内の制度と地域の相談支援をつなぐ

山梨中央銀行、ウェルフェア、グッドウェイ、メディトリーナの4社は2026年9月1日、企業向けの仕事と介護の両立支援サービスを正式提供した。従業員の実態把握、制度整備、管理職・社員の人材育成を企業ごとに組み合わせ、継続的に支援する。同日始まった山梨県と山梨県介護支援専門員協会の「ケアラーコンシェルジュサービス」とも連携する。

企業側の職場環境づくりは4社が担い、介護に直面した個人への支援は協会のワークサポートケアマネジャーにつなぐ。社内研修だけでは、従業員が具体的な介護サービスを必要とした時に支援が途切れやすい。反対に個人相談だけでは、勤務制度や上司の理解を変えにくい。二つを地域単位で接続することが事業の特徴だ。

4社の役割分担で導入後まで支える

山梨中央銀行は県内企業への普及、ウェルフェアは事業統括と伴走、グッドウェイは戦略・情報発信・セミナー、メディトリーナは専門プログラムを担当する。地域金融機関の顧客接点を入口にし、福祉と人材支援の専門性を重ねる構成である。正式提供前の実証では、企業ごとの課題可視化、管理職と社員の理解促進、制度・社内支援体制の構築に有効性を確認したという。

ただし、発表では実証参加企業数や評価方法、料金が示されていない。理解度が上がることと、介護に直面した従業員が離職せず働き続けられることには距離がある。企業が調査結果を制度変更へ反映し、従業員が不利益を恐れず相談できる運用まで定着させる必要がある。個人の介護情報を企業と支援者の間でどう扱うかも重要になる。

他地域へ移せる支援モデルになるか

4社は山梨県内で提供を進め、確立した支援の型を他地域の企業や自治体でも使える形へ発展させる方針だ。横展開には、地域ごとに異なる介護資源や相談窓口へ接続しつつ、企業向けの調査・研修部分を標準化する必要がある。銀行のような地域企業との接点を誰が担うかも、地域展開の条件になる。

成果を判断するには、導入企業数、研修参加者数だけでなく、相談窓口の利用率、制度利用者数、介護を理由とする離職率、休業後の復職率、管理職対応への従業員評価を継続して見る必要がある。相談件数の増加は問題の増加ではなく、潜在課題を表に出せた結果かもしれない。短期の満足度にとどまらず、働き続けられた人数を示せるかがモデルの価値を決める。

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