給食表を撮ると夕食の重複を回避、Nadiaが献立提案を生活予定へ接続
Nadia株式会社
車いす定員や利用者同士の相性まで含めて計画を自動作成。走行データから安全な道を学び、属人化した送迎を月額6000円から置き換える。
発表企業:VISH株式会社
通所介護施設、透析医療機関と、その送迎計画を作る職員・運転者
新サービス
介護・透析送迎に固有の制約、料金、モニター施設での運用結果が示された具体的な業務支援サービスとして評価した。
VISHは2026年9月1日、通所介護・透析施設向け送迎支援サービス「COCOQUL」を開始した。当日の利用者情報から車両と経路を割り当て、車いすの乗車定員や利用者同士の相性も考慮する。急なキャンセルや変更は車両端末へ送り、出発・到着記録から日報を自動作成して最大5年間保存する。
介護や透析の送迎は、最短経路を求める一般配送とは条件が違う。利用者の身体状況、乗降に要する時間、狭い道路、帰宅時刻、同乗の組み合わせを扱う必要がある。土地勘のある運転者や配車担当者が退職すると運用が崩れやすく、同社の施設ヒアリングでは計画作成に1時間以上かかる施設が半数を超えたという。
COCOQULは日々の走行データを学習し、熟練運転者が選ぶような経路を提案する。危険箇所を避ける設定や、送迎時の注意事項を画面に出す機能も持つ。一般の地図が示す最短時間より、施設車両が実際に通れる道や利用者が安全に乗降できる場所を蓄積することが、継続利用で強くなるデータ資産になる。
モニター利用した日野記念病院は、配車の属人化と当日変更への電話連絡を課題としていた。発表では、地図上で移動時間を確認でき、祝日の便で運転者数を半減できる計画を作れたとしている。ただし一つの施設の事例であり、通常日の総労働時間、遅延、走行距離、安全性がどう変わったかは示されていない。自動提案を人が確認する手順も欠かせない。
料金は初期費用0円、利用者18人まで月額6000円からで、人数に応じた別プランもある。小規模施設が試しやすい一方、初期の住所登録、車両条件、利用者ごとの注意事項、端末設定に手厚い支援が必要なら、提供側の導入コストが月額収入を上回りかねない。全国5000施設へ送迎管理を提供し、約8300台のGPSを稼働させてきたVISHの既存基盤を再利用できるかが採算を左右する。
今後追いたいのは計画作成時間、変更連絡の件数、総走行距離、車両・運転者の稼働数、到着遅延、誤乗車や伝達漏れ、提案経路を人が修正した割合、施設当たりの導入支援時間、解約率である。効率化した分を受け入れ人数や介護時間へ回せれば価値は大きい。単に速い配車ではなく、安全上の制約を守りながら新人でも運用できる標準化を実現できるかを見たい。