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街の室外機を暑さのセンサーへ、品川区とダイキンが街区単位の分析を開始

空調設備が取得する外気温などのデータをアメダスと比較し、地域のホットスポットを探す。屋外用エアコンによるクールスポットの効果も検証する。

BY 品川区

FOR

街区ごとの暑熱リスクを把握し、歩行空間や公共空間の暑さ対策を設計したい自治体

TYPE

pilot

WHY IT MATTERS

新しいセンサー網を一から設置せず、既存の空調インフラから得られるデータを都市政策へ転用する点に注目した。測定条件の違いを補正し、対策の意思決定に使える精度を示せるかが焦点となる。

室外機データで街の温度差を探す

品川区とダイキン工業株式会社は、区内の空調室外機から取得できる外気温などの環境観測データを使い、都市の暑熱環境分析を開始する。アメダスなどの気象観測データと比較し、地域ごとの温度差やホットスポットを調べる。

取り組みは、民間企業や大学と地域課題を解決する「しながわシティラボ」の一環。分析結果を歩行空間の快適性向上、局地的な暑さへの対策、暑熱環境を考慮したまちづくりに使えるか検証する。

既存設備を観測網として使う

アメダスは広域の気象傾向を捉えられるが、日陰の有無、建物の密度、舗装などで変わる街区単位の暑さを細かく測るには観測点が足りない。新たなセンサーを多数置けば費用と保守の負担が生じる。

今回は、ダイキンが設置し運用保守を受託する空調室外機のデータを転用する。既存設備を分散型の観測網として利用できれば、センサー専用設備を一から整備せず、身近な単位で暑さを把握できる可能性がある。

屋外用エアコンの効果も検証

品川区はデータ分析に加え、「目黒川夢まつり2026夏」と「天王洲ハーバーマーケット夏夜祭」の会場に屋外用エアコンを設置した。設置期間は2026年8月19日から23日で、来場者向けクールスポットの創出効果を調べる。

暑い場所を特定する分析と、実際に人が滞在できる場所を冷やす対策を同じ取り組みで扱う。将来、観測結果に応じて設備配置を変えられれば、データ収集から対策までをつなげられる。

測定条件の違いが精度を左右

室外機の設置場所は、壁面、日射、排熱、地面からの高さなどが一定ではない。機器付近の温度が、その街区を歩く人の暑熱環境をどこまで代表するかを確かめる必要がある。

発表では、利用する室外機の台数、観測密度、分析期間、屋外用エアコンの評価指標は示されていない。気温だけでなく湿度、日射、風、人の滞在時間などをどう扱うかも、政策利用に向けた論点となる。

LAUNCH TRACEの視点

気候適応では、都市全体の平均値より、通学路、駅前、イベント会場など人が実際に過ごす場所のリスクが重要になる。民間設備の運用データを公共の暑熱対策へ使う今回の試みは、既存インフラに別の役割を持たせる事業モデルでもある。

実用化には、データの所有・共有条件、機器更新後も継続できる観測方法、対策による体感温度や熱中症リスクの変化を示す必要がある。分析結果が具体的な設備配置や街路設計へ反映されるかを追いたい。

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