眠っているアイデアを提案に使える資産へ、ブルーパドルが「レンタル企画書」を開始
7000件超のメモから企画を選び、PDF、Keynote、PowerPointで提供する。広告会社や自治体が商用提案に持ち込み、アイデアと実施場所の出会いを増やす。
BY 株式会社ブルーパドル
広告代理店、制作会社、企業、自治体、店舗、観光事業者など、提案に使える企画を探す組織や担当者
new service
受託案件ごとに企画を作るモデルから、過去のアイデアを再利用可能な在庫として流通させる点に注目した。利用条件と収益配分を標準化し、提案数の増加を実施案件へ転換できるかが焦点になる。
40案の企画書を商用提案に開放
株式会社ブルーパドルは、代表の佐藤ねじ氏が考えた企画書を、広告代理店、制作会社、企業、行政、クリエイターなどがクライアントへの提案に使える「レンタル企画書」を開始した。
開始時点で店舗、観光、商品、イベント、子ども向け施策など40案以上を公開する。企画書はPDF、Keynote、PowerPointで提供し、利用者は案件に合わせて言葉を調整できる。提案内容の事前確認は原則行わない。
7000件のメモを企画在庫に変える
佐藤氏は2010年から7000件以上のアイデアを記録してきたが、受託仕事では顧客ごとの課題から企画を作るため、過去案を提案する機会は限られていた。特に店舗や街、観光向けの案は、実施場所と出会わなければ形になりにくい。
新サービスでは、先にある企画を多くの提案者へ渡し、相性のよい企業、地域、店舗を逆方向から探す。週2案、年間約100案を加え、10年で1000案超を目指す。
FREEとPROで関わり方を分ける
FREE企画は、実施時に「企画:佐藤ねじ」とクレジットを表示すれば、基本的に利用できる。作者やブルーパドルが稼働せず、企画だけを提供する形にも対応する。調整や制作が必要な場合は費用と体制を別途相談する。
PRO企画は、佐藤氏が企画や制作に参加して実現したい案だ。提案前の相談が必要な場合があり、企画だけの参加から制作まで案件に応じて設計する。企画書のレンタルを入口に、採用後の企画・制作業務へつなぐモデルといえる。
アイデア利用の境界を明確にできるか
利用者が提案しやすい一方、公開された発想と、提供される企画書、実施時の表現や制作物の権利は区別する必要がある。複数社が同じ企画を提案した場合の扱いや、改変できる範囲も運用上の論点になる。
発表時点ではPRO企画の料金や、採用時の標準的な契約条件は示されていない。案件ごとの柔軟さを保ちながら、利用者が提案前にコストと権利を見通せる仕組みが普及を左右する。
LAUNCH TRACEの視点
クリエイティブ業務では、採用されなかった企画や提案先に出会えなかった発想が蓄積する。レンタル企画書は、それらを完成前の思いつきではなく、別の人が運べる提案資産へ加工する試みだ。
企画書の閲覧数より、外部の提案に使われた数、採用された数、制作受注や利用料につながった割合が重要になる。1000案という供給目標に加え、企画と実施場所を結ぶ市場として成立するかを追いたい。