配信ログからゲームテスターを選定、ミラティブが利用者基盤を調査事業へ

プレイ時間だけでなく配信中の発話やコメントから技能と文脈を推定する。570万人超の配信者基盤を、開発会社の意思決定へ外販する。

発表企業:株式会社ミラティブ

対象

企画、開発、運営中のゲームについて、適切な技能・嗜好を持つ利用者から具体的な改善材料を得たいゲーム会社

種別

新サービス

注目する理由

配信プラットフォームが持つ行動・発話データを、モニター抽出とプレイ中の文脈分析へ転用し、広告以外の法人収益へ広げる構造を評価した。

自己申告ではなく配信履歴から人を選ぶ

ミラティブはゲーム会社向けの調査サービス「ミラティブユーザーリサーチ」を開始した。ゲーム配信アプリMirrativの利用者からテスターを募り、配信中の発話、視聴者コメント、視聴履歴などをAIで分析する。どの作品のどの段階を、どれほどの技能で遊んでいるかを推定し、最終的には人の確認も加えて、最短1日で数百人規模の候補を抽出する。

一般的なモニター募集は、アンケートで好きなジャンルやプレイ時間を尋ねるため、記憶違いや誇張が混ざる。配信ログなら、特定のボス戦、進行度、視聴する作品まで実際の行動から確認できる。累計570万人超の配信者を抱え、アクティブ利用者の約30%が配信するMirrativの運営資産を、広告や配信収益ではなく開発会社のリサーチへ転換する点が事業上の新しさになる。

感想を問題が起きた場面へ戻す

配信者は視聴者へ面白さや違和感を説明することに慣れている。テスト中の発言を進行状況と結び付ければ、『難しかった』という事後感想ではなく、何章のどの敵で操作や難易度への不満が出たかを確認できる。グループが持つ約2000人のVTuberコミュニティや、月1万5000人超が利用する配信支援ツールとも連携し、属性を広げる。

一方、配信者は一般利用者よりゲーム時間と課金経験が多く、平均的な初心者を代表しない。同社調査ではMirrativ利用者のプレイ時間は一般的なスマホゲーム利用者の約2.2倍で、課金経験率は79%としている。熱量の高い人の発言は深いが、導入で離脱する人や無課金層の感覚を見落とす可能性がある。案件ごとに配信者以外のモニターを混ぜ、目的に合う偏りかを確認する必要がある。

行動データ利用への信頼を守れるか

配信とコメントの分析は利用規約とプライバシーポリシーに基づき、個人を特定できる情報を除いて社内の選定・設計だけに使うとしている。企業へ発言をそのまま渡さず、調査参加も本人の応募と同意を条件にする。未発表ゲームではNDA、持ち物検査、監視スタッフも用意するが、普段の配信データが法人選定へ使われることを利用者が理解できる説明が不可欠だ。

追うべき指標は候補抽出人数ではなく、募集条件との一致率、参加完了率、指摘が実際の仕様変更へ採用された割合、変更後の離脱・継続率、同じ会社からの再発注、モニターへの報酬、データ利用に関する拒否や問い合わせ件数である。コミュニティを調査資産として外販しすぎれば、利用者が監視されていると感じる。開発改善への貢献を参加者へ還元し、配信者との信頼を損なわずに法人収益を作れるかが鍵になる。

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