建設図面の「数量拾い」を最大12時間から10分へ、renueと丸紅がAIを外販
PDF図面から構造物、寸法、数量を抽出し、根拠箇所をハイライトしてExcelへ出力する。地方建設会社の社内ツールを、同業向けSaaSへ広げる。
BY 株式会社renue
数量拾いと積算が熟練者に依存し、見積もり提出の遅れに悩む土木・建設会社
new service
AI企業が汎用品を持ち込むのではなく、地方建設会社の実業務で共同開発し、成果を確認してから外販へ移る点に注目した。図面形式が異なる他社でも同じ精度を保てるかが焦点になる。
図面を読み、数量表を自動作成
株式会社renueは、静岡県島田市の土木建設会社、株式会社丸紅と共同開発した「種別数量拾いアシスタントAIアプリ」の先行導入受付を始める。正式な外販に先立ち、他の建設会社の実図面で検証する。
PDF図面をアップロードすると、構造物、寸法、数量を抽出して一覧化し、Excelで出力する。読み取った箇所を図面上でハイライトし、技術者がAIの結果を確認できる。複数図面の一括処理にも対応する。
最大12時間の工程を約10分に
共同開発先では、数量拾いを5〜6人のベテランが担当し、1案件あたり2〜15時間を要していた。アプリ導入後、数量拾いの最大12時間分を約10分へ短縮し、見積もり関連の合計工数も最大15時間から約4時間になったとしている。
AIの出力を完成品とはせず、人の目視確認を品質管理の中心に置く。経験の浅い社員も一覧作成へ参加でき、熟練者は確認と判断へ集中する業務分担に変えた。
社内改善から同業向けサービスへ
開発は2025年8月に始まり、丸紅の現場知識とrenueのAI技術を組み合わせた。成果は専門誌『建設マネジメント技術』にも掲載され、今回、同じ属人化問題を持つ建設会社へ展開する。
先行導入では業務ヒアリング、実図面を使った検証、定着支援まで伴走する。費用は個別見積もりで、標準料金や正式提供時期は公表していない。
LAUNCH TRACEの視点
建設AIでは、デモ用図面での認識精度より、会社ごとに異なる記号、書式、品質の図面へ適応できるかが重要だ。根拠位置を表示し、人が検証する設計は、誤りをゼロにできないAIを実務へ入れる現実的な方法といえる。
外販後は、図面1枚あたりの処理時間、修正率、導入時の追加学習や設定費用を確認したい。共同開発先で得た削減率を、異なる会社でも再現できるかがSaaS化の分岐点になる。